法定相続情報一覧図っている?いらない?

法務局に戸籍謄本一式を提示することにより、法定相続情報一覧図を交付してもらうことができます。法定相続情報一覧図は各種相続手続きにおいて戸籍謄本一式の替わりに使用することができます

何通取得しても交付手数料は無料ですが、司法書士等の専門家に取得手続きを依頼した場合はその報酬費用がかかります。基本的には戸籍謄本一式があれば各種手続きを行うことができるため、費用をかけてまで法定相続情報一覧図を取得すべきかどうかは、以下のメリットと注意点をご確認の上ご判断ください。

法定相続情報一覧図っている?いらない?

メリット① 戸籍謄本の束を持ち運ばなくてよい

金融機関等の手続きには戸籍謄本一式の提出が必要となります。戸籍謄本の数が多い場合、手続きの度に窓口に持ち込んだり郵送したりするのは手間ですし、1枚でも不足していると手続きができません。

法定相続情報一覧図があるとそれ1枚だけで戸籍謄本一式を代替できるため、書類漏れのリスクを低減できます。また、郵送で手続きをする場合には郵送費を安く抑えることができます。

メリット② 手続き時間が短くなる

法定相続情報一覧図を提出すると金融機関等にも喜ばれます。戸籍謄本一式を読み解くのに比べて、相続関係の確認がはるかに楽だからです。

窓口で手続きをする場合、金融機関等において戸籍謄本一式を確認したりコピーを取ったりするため、その間待たされることとなります。戸籍謄本一式の替わりに法定相続情報一覧図を提出した場合は、この時間の短縮が見込めます。また、郵送での手続きにおいても、法定相続情報一覧図を提出したほうが処理時間が短くなることを明示している機関もあります。

メリット③ 手続きの順序を気にしなくてよい(原本還付してくれない機関がある場合)

ほとんどの金融機関等は戸籍謄本の原本を返してくれますが、まれに返してくれない所も存在します。

このような金融機関等がある場合は、そこでの手続きを最後に回す必要がありますが、法定相続情報一覧図があればそのような順序を気にせずに手続きを進めることができます。他の金融機関等では法定相続情報一覧図を使用して手続きすればよいからです。(法定相続情報一覧図は必要な分だけ複数枚取得することができます。)

注意点① 戸籍謄本一式を収集する手間を省けるわけではない

法務局で法定相続情報一覧図を交付してもらうには、相続関係を証明する戸籍謄本一式を提出する必要があります。つまり、まずは戸籍謄本一式を収集しなければならず、その手間や時間を省略できるわけではないということです。

注意点② 複数の手続きを同時並行で進められるとは限らない

法定相続情報一覧図は複数枚取得することができますが、あくまで戸籍謄本一式に代替できるだけです。相続手続きにはこの他に遺産分割協議書と相続人全員分の印鑑証明書、あるいは遺言書といった書類も必要になります。これらの書類も複数枚あるならば複数の金融機関等での手続きを同時並行で進めることもできますが、通常は1通ずつしかないことが多いと思われます。

なお、法定相続人が1名のみの場合は、遺産分割協議書等は必要ないため、法定相続情報一覧図のみで手続きが可能(つまりは同時並行で手続きが可能)です。

注意点③ 使用できない機関もある

法定相続情報一覧図は銀行や証券会社、保険会社での相続手続きの他、不動産の登記手続き、相続税の申告手続き、年金(遺族年金、未支給年金、死亡一時金等)手続き等に幅広く利用できます。

一方で、法定相続情報一覧図を使用できない手続きもあります。例えば裁判所での手続き(遺産分割調停、相続放棄、遺言書の検認等)には利用できないことがあります。裁判所によるようなので管轄裁判所に確認してください。

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