遺産分割において不動産の価値をいくらとするか

Q&A

Q1.遺産分割において不動産の価値はどのように考えればよいですか?

A1.不動産の評価額には様々なものがあります。相続税の計算においては、土地は路線価を、建物は固定資産税評価額を使います。

しかし、遺産分割においては「この評価額を使用する」という明確な決まりはありません。相続人間で合意した価格でOKです。

価格を合意するにあたっては、各種の評価額が参考となります。

Q2.公示価格とは?

A2.国土交通省の土地鑑定委員会が公示する価格です。毎年1月1日時点の評価額が、3月下旬頃に公表されます。土地総合情報システムというサイトで検索できます。

なお、同サイトでは周辺の土地の実際の取引価格も検索することができます。

Q3.都道府県地価調査標準価格とは?

A3.都道府県知事が公表する価格です。毎年7月1日時点の評価額が、9月下旬頃に公表されます。

こちらも土地総合情報システムで検索できます。

Q4.固定資産税評価額とは?

A4.固定資産税・都市計画税・不動産取得税等の計算の基準となる価格です。毎年1月1日時点の評価額が、3月~4月頃に公表されます。ただし、実際に評価替えが行われるのは3年に1度です

土地の固定資産税評価額は公示価格の70%を目処に設定されています。

Q5.相続税評価額(路線価)とは?

A5.相続税・贈与税等の計算の基準となる価格です。毎年1月1日時点の評価額が、7月初旬頃に公表されます。国税庁のWebサイトから検索することができます。

路線価は公示価格の80%を目処に設定されています。

Q6.相続人間で意見がまとまらない場合はどうすればよいですか?

Q6.不動産鑑定士に依頼して鑑定してもらうことができます。

ただし、相続人の一部から依頼すると、その相続人に有利な価格だと他の相続人から疑われるおそれがあるので、相続人全員から依頼して中立の立場で鑑定してもらうことが望ましいです。(鑑定前に「鑑定結果に従う」旨を相続人全員で書面で合意しておくと尚良いです。)

鑑定には費用も時間もかかるので、複数の不動産会社に査定してもらい、その査定額をもとに合意を図るのも1つの手です。

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