遺言書の探し方

1.公正証書遺言

Q1-1.どこで調査できますか?

A1-1.どこの公証役場でも検索可能です。申請用紙は公証役場に用意されています。

ただし、閲覧や謄本の取得は作成した公証役場のみで可能です

Q1-2.誰が調査できますか?

A1-2.相続人、利害関係人(受遺者、遺言執行者等)です。代理人による手続きも可能です。

ただし、遺言者の存命中は遺言者本人しかできません

Q1-3.何が必要ですか?

A1-3.以下の書類等が必要となります。

  • 遺言者が死亡したことを示す除籍謄本
  • 利害関係を示す戸籍謄本等
  • 本人確認書類(免許証、パスポート等)
  • 印鑑

2.法務局に保管されている自筆証書遺言

Q2-1.どうやって調査するのですか?

A2-1.遺言書に関する証明書を取得して調査します。証明書には「遺言書保管事実証明書」と「遺言書情報証明書」の2種類があります。

「遺言書保管事実証明書」で遺言書の保管の有無を確認し、保管されている場合には「遺言書情報証明書」を取得し遺言書の内容を確認します。

最初から遺言書が保管されていることがわかっている場合は、「遺言書保管事実証明書」は取得せずにいきなり「遺言書情報証明書」を取得することもできます。

なお、どちらも遺言者の生存中は取得できません

Q2-2.「遺言書保管事実証明書」とはどういうものですか?

A2-2.遺言書の保管の事実の有無を証明するものです。この証明書で遺言の内容までは分かりません

証明書の請求者が相続人、受遺者、遺言執行者等となっている遺言書が保管されているか否かを知ることができます。

なお、受遺者や遺言執行者が請求者である場合、保管されていない旨の証明書が発行されたとしても、遺言書が存在しないとは言い切れません。つまり、請求者を受遺者・遺言執行者としない遺言書が保管されている可能性は否定できません。

Q2-3.「遺言書情報証明書」とはどういうものですか?

A2-3.遺言書情報証明書には以下の情報が表示され、遺言書の内容の証明書となるものです

  • 遺言者の氏名
  • 遺言者の出生の年月日
  • 遺言者の住所及び本籍(又は国籍等)
  • 遺言書の画像情報(目録を含む)

従前、自筆証書遺言の原本を使用して行っていた手続(登記手続き、預貯金の払戻し手続き等)については、この証明書を代わりに使用することになります。

Q2-4.証明書はどこで取得できますか?

A2-4.「遺言書保管事実証明書」「遺言書情報証明書」とも全国どこの遺言書保管所でも取得可能です

郵送での申請も可能です。窓口で手続きする場合は事前の予約が必須です

Q2-5.証明書の請求には何が必要ですか?

A2-5.「遺言書保管事実証明書」は遺言者と請求者の戸籍謄本等でよいのに対し、「遺言書情報証明書」は遺言者の相続関係を全て証明する戸籍謄本等が一式必要となります。

詳細は法務省のWebサイトをご参照ください。

Q2-6.証明書は誰が取得できますか?

A2-6.相続人、受遺者、遺言者執行者等です。

法定代理人(未成年者の親権者や成年後見人等)も取得できますが、任意代理人は不可です。(第三者や司法書士等に代理を依頼することはできません。)

Q2-7.遺言書の原本を閲覧することはできますか?

A2-7.できます。ただし、請求先は遺言書の原本が保管されている遺言書保管所に限られます。

閲覧できるのみで、原本の返還を受けることはできません

Q2-8.遺言書保管所(法務局)から遺言書が保管されていることを通知されることはありますか?

A2-8.「死亡時通知」と「関係遺言書保管通知」の2種類の通知制度があります。

死亡時通知」は、遺言者が遺言書を保管する際に希望していれば、遺言者の死亡が確認されたときに、遺言者が指定した者(3名まで)に対して、遺言書が保管されている旨を通知するものです。

関係遺言書保管通知」は、相続人等のうち誰か1人が「遺言書情報証明書」を取得したとき(または遺言書を閲覧したとき)に、その他全ての相続人等に対して遺言書が保管されている旨を通知するものです。(なお、「遺言書保管事実証明書」を取得しても通知はされません。)

これらの通知をきっかけに遺言書の存在を知ることもあり得ます。

3.その他

Q3-1.上記以外の遺言書はどうやって探せばよいですか?

A3-1.以下のような方法が考えられます。

  • 相続人等への聴取
  • 家財道具の調査(仏壇、机、タンス、金庫等)
  • 貸金庫の開扉

Q3-2.相続人全員が合意していれば、遺言書を無視して遺産を分けてもよいのではないですか?

A3-2.遺言書の内容によります。例えば、相続人以外の第三者に財産を遺贈するような内容となっている場合、当該第三者を無視して相続人だけで遺産を分けてしまうと訴訟を起こされることも考えられます

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