Q&A
Q1.公告とは何ですか?
A1.公告とは「ある事項を広く一般に知らせること」です。
会社法では様々な場面で公告をすべき旨を定めていますが、最も頻繁に行うのは決算公告(貸借対照表の公告)です。
他には合併等の組織再編や解散をする場合、資本金・準備金を減少する場合、株主に株券を提出してもらう場合(株券を廃止する場合等)等にも公告が必要とされています。
Q2.公告方法にはどのようなものがありますか?
A2.以下の3つの方法から選択します。
- 官報
- 新聞
- 電子公告
新聞は掲載料が高額すぎるので、実質は官報か電子公告の二択です。
Q3.官報公告のメリット・デメリットを教えてください
A3-1.官報公告のメリット
会社の業績を不特定多数の人に知られる可能性が低いです。
官報は誰でも見ることができますが、実際に見る人は少ないと思われます。インターネット版もありますが無料で閲覧できるのは直近30日分だけです。
また、紙面が限られているため貸借対照表の要旨を公告すればよいとされているので、詳細な情報までは掲載されません。
A3-2.官報公告のデメリット
新聞ほどではないにせよ、安くはない掲載料がかかります。決算公告は75,000円程度~となっています。
Q4.電子公告のメリット・デメリットを教えてください
A4-1.電子公告のメリット
自社のWebサイト等にアップすればよいので掲載コストがほとんどかかりません。
また、組織再編(合併等)や資本金・準備金の減少をする場合に、債権者に「異議があれば申し出てください」と知らせる必要があるのですが、官報+電子公告で二重に公告することにより、個々の債権者に対する各別の催告を省略できます。
官報を公告方法としている場合にはこの二重公告は使えません。ただし、大半の会社は組織再編や資本金・準備金の減少をすることはないと思われますので、あまり関係ないかもしれません。
A4-2.電子公告のデメリット
会社の業績を誰でも簡単に知ることができてしまいます。電子公告の場合は貸借対照表の全文(要旨だけではダメ)を、5年間は掲載する必要があります。
また、電子公告は調査機関による調査が必要とされています。これは、公告期間中に正常に掲載されていたか、改ざんされていないか等を調査するものです。数万円の費用がかかります(料金は調査機関により異なります。)。ただし、決算公告については調査不要とされていますので、あまり関係ないかもしれません。
なお、URLは登記されるので、変更した場合は変更登記の手続きが必要となる点もデメリットです。
Q5.複数の公告方法を定めることはできますか?
A5.「官報または電子公告」といった選択的な定めはできません。「官報および電子公告」は可能ですが掲載コストが嵩むだけなので通常はやりません。
電子公告の場合は、障害発生時のために予備的な公告方法(官報または新聞)を定めておくことができます。また、決算公告用のURLを、その他の(通常の)公告用URLとは別に定めることができます。
官報(または新聞)を公告方法とした場合であっても、貸借対照表についてはURLを定めて電子公告することができます。
Q6.公告方法を後から変更することはできますか?
A6.できます。
ただし、登録免許税(変更登記の税金)だけで3万円かかります。司法書士に依頼すると別途その報酬(数万円)もかかります。
Q7.登記するURLは会社のトップページでも構いませんか?
A7.公告ページへのリンクが分かりやすく貼ってあるならば、トップページ等のURLでも構いません(公告ページのURLでなくてもOK)。
ただし、官報(または新聞)を公告方法としており貸借対照表のみ電子公告する場合は、公告ページのURLでなければなりません。
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