- Q&A
- Q1.任意後見人と成年後見人を両方つけることはできますか?
- Q2.任意後見と成年後見はどちらが優先されますか?
- Q3.成年後見人が選任されると、任意後見契約はどうなりますか?(任意後見スタート前の場合)
- Q4.成年後見人が選任されると、任意後見契約はどうなりますか?(任意後見スタート後の場合)
- Q5.成年後見人が選任されていても、任意後見契約を締結することはできますか?
- Q6.成年後見人が選任されている場合、任意後見がスタートするとどうなりますか?
- Q7.任意後見契約を締結しているにも関わらず成年後見人が必要となるのはどのような場合ですか?
- Q8.任意後見契約が締結されている場合、成年後見の開始は誰が請求できますか?
Q&A
Q1.任意後見人と成年後見人を両方つけることはできますか?
A1.できません。
任意後見人と成年後見人(保佐人・補助人を含む。以下同様。)はどちらか一方しかつけることはできません。
Q2.任意後見と成年後見はどちらが優先されますか?
A2.原則として任意後見が優先されます。
任意後見契約が締結されている場合は(任意後見スタート前であっても)、成年後見人は選任されません。
ただし、家庭裁判所は、本人の利益のため特に必要があると認めるときに限り、成年後見人を選任することができます。
Q3.成年後見人が選任されると、任意後見契約はどうなりますか?(任意後見スタート前の場合)
A3.任意後見契約の効力に影響はなく、そのまま存続します。
その後、任意後見監督人が選任されて任意後見がスタートすると、成年後見は取り消されて終了します。(Q6参照)
ただし、任意後見契約の中で「委任者の後見開始」を契約終了事由としている場合は終了します。
Q4.成年後見人が選任されると、任意後見契約はどうなりますか?(任意後見スタート後の場合)
A4.任意後見契約は終了します。
Q5.成年後見人が選任されていても、任意後見契約を締結することはできますか?
A5.本人(委任者)に任意後見契約の内容を理解できる程の能力が残っていれば可能です。
ただし、保佐や補助であるならばともかく、後見が開始されている人にそのような能力が残っているケースは稀だと思われます。
Q6.成年後見人が選任されている場合、任意後見がスタートするとどうなりますか?
A6.原則として、成年後見は取り消されて終了します。
ただし、成年後見を継続することが本人の利益のため特に必要であると家庭裁判所が認めるときは、任意後見監督人は選任されません。(つまり任意後見はスタートしません。)
Q7.任意後見契約を締結しているにも関わらず成年後見人が必要となるのはどのような場合ですか?
A7.例えば、以下のような場合が考えられます。
A7-1.代理権が不足する場合
任意後見契約において不動産の売却の代理権を与えていなかったが、施設入所の費用に充てるためどうしても売却が必要となった場合などです。
本人に判断能力が残っていれば、代理権を追加した新たな任意後見契約を締結すればよいですが、それができない場合は成年後見人を選任するしかありません。
A7-2.取消権が必要な場合
任意後見人には代理権はありますが取消権はありません。この点は成年後見人との大きな違いです。(ただし、錯誤、詐欺又は強迫による場合は、任意後見人にも取消しが認められる余地はあります。)
本人がやたらと高額商品の購入契約を結んでしまうなど、取消権による保護が必要な場合には、任意後見から成年後見に切り替えたほうがよいと思われます。
A7-3.任意後見人が不正を行っている場合
親族が任意後見人となっているが、本人のためではなく任意後見人自身のために財産を使い込んでいるような場合に、他の親族から成年後見の申立てがなされることがあります。
Q8.任意後見契約が締結されている場合、成年後見の開始は誰が請求できますか?
A8.通常の申立人(※)に加えて、任意後見受任者・任意後見人・任意後見監督人も請求することができます。
※本人・配偶者・四親等内の親族・未成年後見人・未成年後見監督人・保佐人・保佐監督人・補助人・補助監督人・検察官・市町村長
コメント