遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために必要な一切の行為をする権利・義務を有する者です。
Q&A
Q1.遺言執行者はどのように選ばれるのですか?
A1.遺言者が遺言で指定します。
遺言以外の方式(生前契約等)により指定することはできません。
必須ではないので、指定しないこともできます。
遺言執行者がいない場合、利害関係人の請求により家庭裁判所に選任してもらうこともできます。
Q2.相続人や受遺者も遺言執行者になることができますか?
A2.できます。
受遺者(遺言により財産を譲り受ける人。相続人の1人でもそれ以外の第三者でもよい。)を遺言執行者とすることにより、他の相続人の協力がなくても受遺者が単独で遺産取得に必要な手続き(預貯金の払戻し等)をすることができます。
Q3.複数の人を指定することはできますか?
A3.できます。
遺言執行者が数人ある場合には、その任務の執行は過半数で決めます。ただし、遺言者が遺言で別の執行方法を定めたときは、それに従います。
なお、保存行為(財産の価値を維持するための行為)は遺言執行者のうち1人だけでもできます。
Q4.法人も遺言執行者になることができますか?
A4.できます。
例えば、信託銀行で遺言書を作成すると、基本的にその信託銀行が遺言執行者となります。
Q5.遺言執行者になることを拒絶することはできますか?
A5.できます。
遺言執行者は遺言で一方的に指定されるので、自分が指定されていることを知らなかったということもあり得ます。また、知っていたとしても、遺言が作成された時点と相続が開始した時点では事情が変わっていることも考えられるからです。
Q6.遺言執行者になることを承諾するか拒絶するかハッキリしないときはどうすればよいですか?
A6.相続人その他の利害関係人は、遺言執行者に対し、相当の期間を定めて、遺言執行者になることを承諾するかどうか確答するよう催告をすることができます。
遺言執行者が期間内に相続人に対して確答をしないときは、就職を承諾したものとみなされます。
Q7.遺言執行者になった場合、相続人全員へ通知する必要がありますか?
A7.遅滞なく、遺言の内容を相続人全員(包括受遺者(※)を含む)に通知しなければなりません。
また、相続財産目録の作成および交付も、遅滞なく行わなければなりません。
※包括受遺者とは、遺言により財産の全てまたは一部の割合を譲り受けた者のことです。特定の財産を(具体的な不動産や預貯金等を指定して)譲り受けた受遺者は含まれません。
Q8.遺言執行者は第三者に代わりに任務を行わせることはできますか?
A8.できます。ただし、遺言で禁止されているときはできません。
Q9.遺言執行者を辞任することはできますか?
A9.一度遺言執行者になることを承諾した後は、正当な事由があるときに家庭裁判所の許可を得て辞任することができます。
Q10.遺言執行者を解任することはできますか?
A10.遺言執行者がその任務を怠ったときその他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができます。
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